
2026年の箱根駅伝では、復路を前に雪が心配されました。実際のコースはどうだったのでしょうか。神奈川県の事後報告によると、駅伝コースの国道1号では雪が降りましたが、積雪には至りませんでした。路面が凍るおそれに備えて凍結防止剤を散布し、翌朝の復路を迎えています。
私が気になったのは、雪のない朝の風景へ至るまでに、どんな準備があったのかという点です。前夜の予報、道路ごとの作業、芦ノ湖の朝の記録をたどると、第102回大会の別の一面が見えてきます。
記事のポイント
箱根駅伝2026の雪|前夜の予報と復路朝の路面

2026年1月2日の夜から3日の朝については、雪が降ったか、雪が積もったか、路面が凍ったかを分けると状況がつかめます。雪の予報を伝えた記事と、大会後の道路管理の報告では、分かることも異なります。
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前夜の予報と、国道1号の実際の状態

1月2日20時51分の日刊スポーツの記事は、ウェザーニューズの予報として、芦ノ湖周辺では同日午後9時頃に雪が舞い、翌3日午前3〜7時にはマイナス4度まで冷え込む見通しを紹介していました。これは、復路が始まる前に伝えられた予報です。
その後の実際の道路状況を説明するのが、神奈川県の「箱根駅伝開催時の凍雪害対応について」です。県西土木事務所小田原土木センターの報告は、コースとなる国道1号で降雪した一方、積雪には至らなかったとしています。凍結のおそれがあったため、散布車で凍結防止剤をまいたことも記載されています。
つまり、前夜に雪が予想されたことと、翌朝に積雪のない状態で復路を迎えたことは両立します。「降る」と「積もる」は別の状態で、その間には道路管理の対応もありました。朝の様子だけを振り返るより、前夜からの流れを一緒に見ると、この日の雪の話が具体的になります。
| 時点・資料 | 確認できる内容 |
|---|---|
| 1月2日夜の報道 | 芦ノ湖周辺の降雪と翌未明の冷え込みの予報 |
| 1月2日夜〜3日朝の道路対応 | 国道1号は降雪したが積雪に至らず、凍結防止剤を散布 |
| 大会後の県の報告 | 路面が凍結することなく3日朝の復路を迎えたと説明 |
県の報告は1月8日公開、1月15日更新です。大会後に作業を振り返った資料なので、当日の予報記事の続きを確かめる材料になります。
除雪された県道75号大観山付近はコース外
同じ県の報告には、除雪車が出動した話も載っています。ただ、場所は国道1号ではなく、大観山山頂の箱根ターンパイク交差点付近にある県道75号(湯河原箱根仙石原)です。県は、この作業場所が箱根駅伝のコースではないと明記しています。
一つの報告の中に「積雪なし」と「除雪」が出てくるのは、対象の道路が違うためです。国道1号では凍結への備えとして薬剤を散布し、県道75号の大観山付近では除雪車で雪を取り除きました。「箱根で除雪した」という情報だけを見て、駅伝の走路も雪に埋まっていたと考えると、二つの場所を混ぜてしまいます。
| 場所 | 駅伝コースとの関係 | 報告された作業 |
|---|---|---|
| 国道1号の駅伝コース | コースとなる道路 | 凍結防止剤の散布 |
| 県道75号・大観山山頂付近 | この作業場所はコース外 | 除雪車による除雪 |
私は、この場所の違いを知ると、作業写真の見方も変わると感じます。雪を押し分ける車が写っていても、まずどの道路の写真なのかを見る。すると、雪の量への驚きだけで終わらず、その地域で何を守るための作業だったかまで読み取れるからです。県の報告も、駅伝コースに加えて管内の道路交通を確保した取り組みとして紹介されています。
復路朝の芦ノ湖はマイナス2.1度
積雪がなかったことは、暖かい朝だったという意味ではありません。日本テレビの第102回大会の当日記事によると、1月3日午前7時の復路スタート地点・箱根芦ノ湖の気温はマイナス2.1度でした。先頭の青山学院大学は、その1時間後の午前8時に出発する案内でした。
前夜の記事にあったマイナス4度は、翌未明の時間帯についての予報です。一方、マイナス2.1度は当日朝7時、出発地点について日本テレビが掲載した値です。時刻も情報の種類も違うので、二つの数字だけを並べて予報の当たり外れを決めるものではありません。
出発する6区の地形も押さえておくと、朝の舞台が思い浮かびます。大会公式のコース紹介では、6区は最初の約4kmを上ってから、本格的な下りへ入ると説明されています。山下りという呼び名でも、出発直後から最後まで下り続ける区間ではないのです。
序盤の上り、その先の急なカーブを含む下りへと進む選手たち。朝の気温は、その走りが始まる地点の背景を知る手掛かりになります。芦ノ湖の一つの数値を、6区全体の路面温度や各選手の体調に広げず、時刻と場所を添えて振り返ると、その日の条件を具体的に捉えられます。
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箱根駅伝2026の雪に備えた作業|巡回・散布・除雪

県の報告をたどると、復路の朝を迎える前には、道路の確認と状況に応じた作業がありました。ここでは、担当した主体と、散布・除雪それぞれの役割を見ていきます。
小田原土木センターと地域の4社が夜から朝へ対応
降雪や路面凍結が予測されたため、小田原土木センターは道路パトロールを実施しました。そのうえで、地域の建設業4社に、1月2日夜から3日朝にかけての除雪や凍結防止剤の散布を依頼しています。
この流れで見ると、対策は朝の積雪を見てから始まったものではありません。前夜の予測を受け、道路を巡回し、地域の業者へ対応を依頼する段階がありました。国道1号の散布と県道75号大観山付近の除雪は、その中で報告された具体的な作業です。
県は、地域の建設業の対応もあり、路面が凍結することなく3日朝の復路を迎えられたと振り返っています。雪の量だけを追うより、「予測を受ける」「道路を確かめる」「場所に合う作業をする」という動きで見ると、スタート前の準備の中身が分かります。
散布車と除雪車の違い

散布車と除雪車は、どちらも冬の道路を支える車ですが、路面に対して行うことが違います。神奈川県の「凍雪害対策の取組み」は、それぞれの構造と動きを写真付きで紹介しています。
凍結防止剤散布車は、荷台に大きなタンクを載せ、後方の円盤状の装置から薬剤を路面へ広げます。雪を押しのけるのではなく、薬剤をまくための車です。国道1号について報告されたのは、この散布の作業でした。
除雪車は、車両の前に取り付けた排土板で、道路に積もった雪をかき分けます。県道75号大観山付近で報告されたのはこちらです。車の前方で雪を動かすのか、後方から薬剤を広げるのかと動きに注目すると、二つの作業を見分けやすくなります。
また、同資料にある道路パトロールカーは、道路を巡視するための車です。道路の状態を確かめる役割、積もった雪を取り除く役割、凍結に備えて薬剤をまく役割が、それぞれにあると分かります。
積もる前から行う凍結防止剤の散布
では、国道1号に雪が積もらなかったのに、なぜ散布をしたのでしょうか。県の個別報告が挙げている理由は、路面が凍結するおそれです。積もった雪を除くことと、路面が凍るのを防ぐことは、別の目的の作業なのです。
県の解説資料は、使用する薬剤の一つである塩化ナトリウムについて、凍結温度を下げて凍結しづらくする特徴があり、路面が凍る前に散布すると説明しています。凍ってから取り除く対応だけでなく、凍る前の段階で備える方法があるわけです。
この薬剤の働きは、県資料の一般的な説明です。2026年の当夜報告は「凍結防止剤」と記しており、この夜に使った種類や量までは載せていません。
私には、この「何も積もっていない路面に対しても作業がある」という点が、朝の風景をもう一度見る手掛かりになります。テレビに選手が映り始める前にも、走る場所を整える時間があった。速さや順位に加えて道路の準備へ目を向けると、一つの大会を支える仕事が具体的に見えてきます。
まとめ|箱根駅伝2026の雪は場所と作業を合わせて振り返る
箱根駅伝2026の復路前夜には、コースの国道1号で雪が降りましたが、積雪には至りませんでした。凍結のおそれに備えて薬剤を散布し、県は路面が凍結することなく翌朝の復路を迎えたと報告しています。除雪車が作業した県道75号大観山付近は、コース外の別の場所です。
前夜の予報から朝の出発へ、その間の道路管理も一緒にたどると、雪のない映像の受け取り方が少し変わります。ほかの年の雪の事例や、次の大会の開催情報の見方に関心がある方は、雪の日の大会史と開催情報の解説も参考にしてください。
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